高見盛が写真誌報道に怒りの４勝／夏場所 　東前頭７枚目の高見盛（３１＝東関）が、写真誌「フライデー」に怒りを込めた４勝目を飾った。場所前の誕生パーティーの様子を撮影され「ガブリ寄り合コン」と記されたことに憤慨。彼女いない歴３１年の純情力士は、その怒りを土俵にぶつけて平幕皇司を引き落としで破った。綱とりを目指す大関白鵬（２２）は関脇安馬（２３）を押し出し、横綱朝青龍（２６）は平幕垣添（２８）をはたき込んで全勝をキープ。６日目まで全勝７人は史上初の記録になった。 　勝っても興奮はおさまらない。高見盛は目をつり上げて言った。「合コンじゃない！　誕生日を祝ってくれるっていうから、場所の景気づけに行ったんだ」。３１歳の独身男性が、合コンに参加しても後ろめたさはないはずだが「彼女いない歴３１年」のロボコップの語気はなぜか荒かった。 　場所入り前、自分の写真が掲載されているフライデーを見て驚がくした。写真は、誕生日前日の１１日、新宿区歌舞伎町の居酒屋で複数の力士たちと女性数人と楽しく飲食する様子だった。９日には報道陣の前で「焦ってるっす。合コン？　いつでも（話を）持ってきてくれ」と話していたこともあり、周囲も「ついにロボコップ（高見盛）に春が来たか」と興味津々だった。 　だが、ロボコップは照れるどころか怒っていた。いつも以上に仕切り前に激しく顔と胸をたたき、皇司へ向かった。立ち合いで右を差しての自分の型に持ち込み、相手の頭が下がった瞬間に引き落としを決めた。 　角界一の人気者ゆえの悩みだ。土俵外の動向も写真誌のターゲットにされるが、相撲で評価されたい本人は「そんなレギュラーいやだ」ときっぱり言う。実は場所前も墨田区の東関部屋周辺を離れたのはこの日だけとか。「今、はまっているのはパソコンのマージャンゲーム。毎晩、２時間ほどやって雑念を払ってから眠るんだ」。母親の「賭け事は絶対にダメ」の教えを守り、マージャンパイは握ったことはないが、２月に約３０万円で購入したパソコン上でストレスを発散している。 　確かに合コンをしても、「女性と１対１で話すのが苦手」という弱点がある。だが、土俵で目の前の相手を倒し続ければ、きっと幸は来ると高見盛は信じている。「いつも前半は好調って言われっと、後半になって負けるだ。だから勝てるうちに勝っておかないといけねえんだ」。３１歳の純情力士は、今日も土俵に集中する。